神武景気と言うモノクローム

私(わたし)の両親(りょうしん)は決して(けっして)、大層(たいそう)なカメラや写真(しゃしん)好き(ずき)と言う(いう)わけではありませんが、我が家(わがや)のアルバムにはたくさんの写真(しゃしん)が残さ(のこさ)れています。とりわけ、私(わたし)が生まれる(うまれる)かなり前の(まえの)、白黒(しろくろ)の写真(しゃしん)がとても多く(おおく)残さ(のこさ)れている時期(じき)が、多分(たぶん)、神武景気(じんむけいき)と呼ばれる(よばれる)頃(ころ)なのだと後で(あとで)知っ(しっ)たように思い(おもい)ます。神武天皇(じんむてんのう)が即位(そくい)して以来(いらい)、例(れい)を見(み)ない程(ほど)の好景気(こうけいき)との意味(いみ)での景気(けいき)の名称(めいしょう)のようですが、写真(しゃしん)から見(み)てもその景気(けいき)の良さ(よさ)は分かり(わかり)得(え)ます。父(ちち)と母(はは)の何せ(なんせ)結婚(けっこん)する前の(まえの)、その数(そのかず)年の頃(としのころ)の写真(しゃしん)たちは、どこかお洒落(おしゃれ)で、父(ちち)と母(はは)が青春(せいしゅん)を過ごし(すごし)ているのが見てとれ(みてとれ)るからです。そのファッションや背景(はいけい)の後(あと)波(なみ)の様子(ようす)からも、景気(けいき)が良い(よい)のだろうことが伺え(うかがえ)ます。ただ、その景気(けいき)の更に(さらに)背景(はいけい)には、朝鮮戦争(ちょうせんせんそう)と言う(いう)事柄(ことがら)が否応なしに(いやおうなしに)あるわけで、その故に(ゆえに)神武景気(じんむけいき)が成り得(なりえ)たのだとしたなら、そのたくさんの写真(しゃしん)たちがモノクロであるように、本当(ほんとう)の色合い(いろあい)はなかなか見え(みえ)てこないような不可思議(ふかしぎ)さがあります。現在(げんざい)も景気(けいき)が良く(よく)なっていると言わ(といわ)れていますが、その背景(はいけい)の色合い(いろあい)が見え(みえ)て来る(くる)のはまだ先(さき)の話(はなし)でしょうか。

景気

私の両親は決して、大層なカメラや写真好きと言うわけではありませんが、我が家のアルバムにはたくさんの写真が残されています。

景気